昨日は、広尾晃氏の渾身の取材記事について取り上げました。
広尾晃氏「結構な取材を重ねた(キリッ!)」 : 「広尾晃の「野球の記録で話したい」」で話したい (blog.jp)

今回は、それに関連して、広尾氏の取材能力が分かる事例をひとつご紹介します。
(以前よりコメント欄にて情報提供していただいたものです。ありがとうございます。)

まずは、こちらの記事のコメントをご覧ください。2022年11月23日の記事です。
野球の記録で話したい : 年俸40%アップ、しかし育成契約に (baseballstats2011.jp)
読者から以下のようなコメントがつきました。
「その某球団は前社主の渡○さんから現オーナに「今年中に静岡の新球団の筋道をつけろ。どんな手を使っても構わない」と厳命が降りているそうです。
静岡の新球団には中日も反対しているとか? 他にもイースタンでは歓迎されていないと聞きました。」
以前より報道されていた、静岡市に2軍のみの新球団が創設されるかもしれないという件ですね。
これに対して、広尾氏は以下のようにコメントを返しています。
静岡の新球団は11-1で否決されたと聞いています。
コメント
関係者から聞いたような書きぶりで、さすがプロのライターです

まだ結果が出ていない段階(上記コメントは11月23日の14時9分)で確定的な内容を話しています。

この件について広尾氏は、その後11月24日の17時に、以下のブログ記事をアップし、あらためて取り上げています。書きぶりをいくつかピックアップ。
野球の記録で話したい : たこつぼ球団と2軍だけのチーム (baseballstats2011.jp)
結局、巨人だけでなく12球団は「全体の利益」を考える発想がないのだ。みんな自分の球団の利益だけを考えている。そして「ライバル球団が困ればいい」という認識も心の底に持っている。足を引っ張りたいのだ。
つまり「新しいことはしたくない」が「損もしたくない」「他所がいい思いをするのも嫌だ」というたこつぼみたいな発想なのだ。
たこつぼ2

ファームだけのチームを作る際に、そのチームの選手はドラフトで獲得するのか?そのチームからの移籍はどうするのか、などいろいろ取り決めなけれなならないが、リーグ全体のことを考えるなら、悪い話ではない。
しかし他球団は「あたらしいことはしたくない」「新しい市場ができるのは嫌だ」「二軍の移動費のコストが上がるのは嫌だ」など、実に料簡の狭いことを言って、新球団参入を否定しているのだ。
日本のお役所みたいな体質は、今も根強いのだ。日本の国が発展しないのと同根の病巣がプロ野球界にも根付いているのだ。
たこつぼ3

新球団参入が否決されたことを前提に、球界の姿勢、ひいては日本の国への批判を嬉しそうに展開しています。
そりゃそうですよね。関係者から聞いたみたいですが、「静岡の新球団は11-1で否決された」という情報を得ているのですから。
以前、「ブログは取材した内容は書かない」「外野が憶測に基づいて好きに書くのがブログ」と言っていましたが、ここに関しては、取材(というかきちんとした情報ソース)をもとに書いているのでしょう。

そして、その件についてプロ野球オーナー会議の結果が報道されたのは、上記記事公開から1時間も経たない、17時53分。サンスポの記事が確認できます。
2024年シーズンから2軍は14球団へ プロ野球オーナー会議 - サンスポ (sanspo.com)

重要なことなので記事タイトルをあらためて引用します。
「2024年シーズンから2軍は14球団へ
記事内容を見ると、
プロ野球12球団と日本野球機構(NPB)は24日、東京都内でオーナー会議を開き、2024年シーズンから新たなに2球団の新規参入を認めて2軍公式戦を開催する方針を固めた。
ベンチャー企業の「ハヤテインベストメント」(本社・東京都中央区)から新規参入の申し入れがあり、すでに「ファーム検討委員会」がヒアリングを済ませていることも明かした。本拠地は2011年からプロ野球の地元球団新設構想を進めてきた静岡県の清水庵原球場を予定している。
ばっちり新規参入を認める方針が決定されていました。

先ほどご紹介した、広尾氏のコメントを再度書きますね。
静岡の新球団は11-1で否決されたと聞いています。
コメント2

広尾氏は何を誰から聞いたんでしょうか。
もちろん、事前に聞いていた情報から最終的に方向性が変わってしまった可能性もありますが、ここまで真逆の事を断定的に書いて、しかもそれをもとに
他球団は「あたらしいことはしたくない」「新しい市場ができるのは嫌だ」「二軍の移動費のコストが上がるのは嫌だ」など、実に料簡の狭いことを言って、新球団参入を否定しているのだ。
とまで批判を繰り広げていたのを見ると、上記コメントも普段通り「憶測」だったのではないかと思えてきます。

これに関しては、その後広尾氏からの釈明や説明などはありません。
謝罪などは不要なものの、経緯の説明くらいはあってもいいと思いますが、どうせ面倒くさいからしないんでしょうね。

この一件を見ても、広尾氏が持っている情報ソースの不確かさ、取材能力の程度がよく分かると思います。
文章が下手なのは仕方ないですが、せめて間違った情報を積極的に拡散することだけはやめてほしいものですね。(そうなるとブログをまるっとやめてもらわないといけませんが。)